こんにちは。同人サークル Regen Radikaler 代表のフナジューです。


前回…③キャラクター編

次回…⑤立ち絵編(次回更新予定)


これまでの3回で企画・プロット・キャラクターといった順に、アイディア段階での土台を固めるための道筋を見てきました。第4回からは、ノベルゲームを構築するのに必要なシナリオ・CG・サウンド等の各要素に焦点をあてて、様々なテクニックを紹介していきたいと思います。ただ、私個人が新本格シネマADV《Oscillatus 零》を制作中に導き出した法則やアイディアが中心になるので、「これ本当か~?」と疑いの目を持ちながら読み進めていただきたいです。コメント欄にてツッコミもお待ちしています!


第4回「シナリオ編」では、プロット段階で固めた物語を、いかにして文章に書き起こすかについて解説していきたいと思います。私がシナリオを書く際に意識しているポイントを、以下の4種類に分類してみました。


①視覚的な読みやすさ

②シーンに適した情景設定

③退屈させない文章の書き方

④小説とシナリオの異なる点


①から順に、「語句レベル」「シーン初期設定」「シーンの流れ」「シナリオの書式」の話になります。①~③はあらゆる物語を書く上で応用できる技ですが、④はノベルゲームのシナリオに特化したテーマとなっています(これが本命)。普段小説を書いている人が初めてゲームシナリオを書く際にやってしまいがちな「禁則事項」を思いつく限り並べたので、心臓に刻んでおいてください。実際、小説のノリで書かれた「しなりお」によって企画が崩壊した例を知っているので、強く忠告しておきます。


もう一度言います。小説とシナリオは、似て非なるものです。


シナリオライターが書くべき文章は、小説でもSSでもなく、スクリプトを見越したシナリオです。ゲーム画面に表示される文字と絵、再生される音を指定する「台本」なのです。

ここを取り間違えないようにしてください。

それでは、各項目を順番に解説していきましょう。



①視覚的な読みやすさ


はい。これは日本語を綺麗に書くルールのようなものです。

仮名、読点、助詞を上手く活用することで、読み手の負担を減らすことができます。

まず仮名。これはたんじゅんに、ひらがながつづくとくぎりがみえにくいよねというはなしです。適度なタイミングで、ひらがなとカタカナと漢字を使い分けると、パッと見で文中の区切りが分かるので読みやすくなります。また読点は、ひらがなが連続する箇所に挟むのが視覚的には良いかと思います。他にも、強調したい単語の直前に読点をおいて、「おい、ちょっと止まれ。よく読め、読み流すなよ」といった使い方もできますね。

続いての助詞は、いわゆる「てにをは」ですね。これを使いこなせるようになると、ニュアンスを伝えるのが上手になります。今回、文章を書く上で気を付けておきたいのは、同じ助詞を連続して使わないということです。「私家」や、「今日は暑いので家から出たくないので引きこもる」みたいな文章は、違和感を覚えるでしょう? とくに格助詞が連続すると野暮ったい感じがします。なるべく「が・は・の」「から・より・ので」をバランス良く使ったり、熟語を用いた圧縮表現を取り入れたりすることで回避しましょう。

パッと思い浮かぶのはこの程度でしょうか。…… と ―― は偶数個セットで使うとか、「!」と「?」の後に文が続く際は全角一文字空けるとか、そういった御作法的な話はググれば沢山出てくると思うので、ちょっと怪しいかもと思った人は調べてみてください。



②シーンに適した情景設定


これもまた、脚本を書く際に意識すべき要素ですね。物語を進行させるにあたって、情景を活用するのはもはや鉄板かと思います。シリアスシーンで雨を降らしたり、夕焼けを背景に別れを告げたり。踏切や屋上、歩道橋や交差点などの場所に意味を持たせたり、傘や本、食べ物などのアイテムを使って描写に深みを与えたり。印象的なシーンを作り上げるには、周囲の雰囲気を設定するのも大切です。イベントCGをつけるようなシーンでは、視覚的なインパクトも求められますからね。

シーンを設定するときには、適した時刻・天候・場所・小道具を考えましょう。

そう言われても、何をもって「適している」とするかイメージが沸かない、という人のために補足説明をしておきます。あくまで私の経験的な感覚ですが、以下のような例がよく見受けられるのではないでしょうか。


朝…穏やか・発見・旅立ち、昼…活発・活動的、夕方…感傷的(絵的にも映える)、夜…静寂・休息・不気味

春…始まり・出会い、夏…冒険・若さ、秋…別れ・寂しさ、冬…ミステリアス・神秘的・感傷的

晴れ…高揚感・日常的、曇り…悩み・不安・迫り来る危機、雨…落胆・絶望・後悔、雷…怒り

踏切…「一時停止」の意味・事件の予感、分かれ道…選択・別れ、交差点・歩道橋…遭遇・交わる運命、屋上…非日常・俯瞰・客観視・不安定

傘は距離感演出や視線遮断に、本など作中作は物語に深みを与えることができます。また、飲食物は「甘い」「辛い」「苦い」と言った感情を表す際に用いると効果的です。

他にも、背景の色合いによってプレイヤーに与える印象が変わります。この辺については「背景・イベントCG編」で説明する予定です。


そしてもう1つ、私が大切にしている法則があります。それは、「変化を描く時には、それ以外を同じにする」という演出法です。出会いと別れのシーンを同じ場所・同じ季節で演出するとドラマチックな感じがしませんか? 同じセリフでも、状況が変われば違って聞こえますよね。つまりは、そういうことです。

あるひとつの変化を強調させるには、それ以外の状況を同じにすることでより際出せることができるのです。同じ背景画像を使い回せるといった素材面でのメリットもあるので、意識してみることをオススメします。

 


③退屈させない文章の書き方


「退屈させない文章」、言い換えれば「先を読みたくなる文章」ですが、その共通点を考えたことはあるでしょうか。物語としての面白さはプロット段階で決まりますが、その面白さを引き出し、プレイヤーに伝えるのがシナリオの役目となります。どういったシナリオが飽きずに読み進めたくなるのか、有名所のテクニックを紹介しておきましょう。共通点は、「緊張と緩和」のリズムです。


☆布石と伏線

よく聞く単語ですが、これらは似て非なるものです。単なる布石を伏線と呼ぶなどといった、誤った使い方をよく見かけるので定義を確認しておきましょう。

布石…本来は「後に備えておくこと」を意味する囲碁の用語。創作においては、その段階では特に意味がなくても、後でその意味が分かるタイプの事柄に対しても使う。

伏線…後の展開をほのめかす要素。登場時には謎として浮かび上がり、後に物語のヒントとして機能する。

布石は単純です。後で使う情報を前出ししておくだけで、布石として活用できます。いきなり新情報を出すと急展開にとらえられて「ご都合主義だ」と言われかねないので、そうならないように前もってチラつかせておくのがお約束になっているのでしょう。口癖がラストの決め台詞で機能したり、話にだけ出てきていたキャラが後に登場したり、そういったものが布石に当たりますね。

問題は伏線の方で、さじ加減を考えなければ十分に機能しない恐れがあります。物語の展開や世界観を、説得力を持たせて「なるほど」と納得してもらう、それが伏線の目的です。よく知られているテクニックですが、以下のことに気を付けて伏線を扱っていきましょう。


・読者が伏線だと気づかないように、目立たせずに隠しておくと効果が上がる。しかし、完全にスルーされてしまっても意味がない。やや「におわせる」ことが大切(そこが難しい)。

伏線は、忘れた頃に繰り返すと良い。作中で3回登場した事柄は記憶に残りやすい。伏線を張ってから放置しすぎると効果が薄くなってしまうので、定期的に触れるようにする。

一度回収したふりをする(ミスリード)。読者の誤解させておき、後でどんでん返しをすることで驚きは何倍にもなる。なかなかに高度な技なので要練習。

張った伏線は、必ず全部回収すること。適当に張って放置した伏線は、読者にモヤモヤを残すことになってしまう。責任を持って回収すること!


細かい手法は他にも沢山あるはずです。物語と向き合う際は、どんなタイプの伏線が使われているか意識してみると新たな発見があるかも知れません。伏線を使いこなせるようになると、読者は先が気になって読むのが止まらなくなり、伏線が回収されるたびに興奮すること間違いなしです。どんなジャンルの物語でも、緊張と緩和のリズムは応用が効きます。伏線を上手に用いて、プロットの良さを最大限に引き出していきましょう。


☆葛藤、ドラマ

プロット段階で設定した、キャラクター達の葛藤。これが物語を動かす力になります。葛藤の生まれる理由は沢山ありますが、広く言ってしまえば「板挟み」の状態です。使命と自らの意思、理想と現実など、相反する2つの要素の間でココロが揺れ動いている状態ですね。こういった状況を作り出し、キャラクター達の行動にドラマを与えるのがライターの役目だと思っています。どのシーンでも、何らかの思惑が作用するように文章を組み立てていきましょう。


☆生きた会話

これは私がシナリオを書き始めてから、ずっと取り組み続けている課題です。どうすれば、より自然な会話を書けるのか。最終的に私の落ち着いた結論である法則を、いくつか簡潔に記しておきます。


・説明的なセリフを避ける

説明ゼリフは初心者が犯しがちなミスですね。ひとつのセリフに情報を詰め込みすぎたり、ずっと1人のキャラが喋っていたりすると、どうしてもシナリオのテンポが悪く感じられます。これを回避するためには、「1文につき新情報は1要素」「セリフは交互に配置する」といった方法があります。


・キャラに合った言葉を選ぶ

これは、キャラクター編で設定した要素を活かしていきましょう、ということです。人称や口調、語尾や口癖など、文字列だけで誰が喋っているのか判断できるのが理想ですね。どんな喋り方をさせるとキャラが生き生きと描写できるか、つねにイメージを膨らませながら執筆しましょう。


・会話は「キャチボール」ではなく「ドッジボール」

これはちょっと高度な技ですが、ふつう、会話というものは思い通りに運ばないものです。完全に相手の意図を理解して会話が進んでいくのは、ちょっと都合が良すぎます。そこで、セリフを書く際にすこし変化球な言葉を選んでやるのです。そうすると会話に緊張感・スリルが生まれます。疑問文には、そのまま返してはいけません。よりリアルな、演劇チックな脚本を目指したいときには意識してみると良いでしょう。例を挙げてみますと、「ねぇ、今どんな気分?」「……最ッ高だぜ、死ぬほどな」(銃を突きつけられながら)みたいなヤツです。洋画とかにありそうな皮肉タップリの会話ですね(?)。予定調和ではない、先の読めない会話、ぜひ目指してみてください。

他に気を付けておくことが1つあります。文字のみの場合は前から表示されるので倒置法などの手法が効果的ですが、ボイスありの場合は「声に出して読むと気持ちいいリズム」のセリフが好まれるので注意が必要です。媒体に適したセリフを書くようになれれば最強ですね。


☆情報過多による感動

これは例外的な荒業です。超高速で画面が変化したり、理解できない専門用語が並べ立てられたりして「なんかスゲぇ」ってなった経験はありませんか?

人間は、脳で処理できる情報の量に限界があります。ふつうはその限界を超えないように演出するのですが、ここぞという時に一気に大量の情報を届けることで脳が処理落ちして「感動」を錯覚させることができるのです。何度も使える技ではありませんが、ここぞという時には情報過多を狙ってみるのもいいかもしれません。



④小説とシナリオの異なる点


ここからは、よりゲームシナリオに焦点を充てた書式の話になります。ちょっぴり専門的な説明が続きますが、じっくり読んで考えていただけると幸いです。


・テキストボックス

ノベルゲームには、画面全体に文字を表示するサウンドノベル形式と、画面下側の枠内に文字を表示するアドベンチャーゲーム形式がありますが、後者における枠のことをテキストボックス、またの名をメッセージウィンドウといいます。これも小説との大きな違いの1つでして、ゲームシナリオは必ず枠内に収まるように書かなければいけません

そのため、シナリオを書き始める前に、このテキストボックスの大きさとフォントサイズを設定しておく必要があります。この2つを設定することで、1行につき何文字表示できるのか、そして何行まで表示可能なのかが決まります。これは、原稿用紙の縦横文字数上限を定めるのと同義です。行の頭に「、」や「。」がこないようにする、全文をバランスの良い箇所で改行するなど、文字数上限によって考慮すべき事柄が出てきます。こういった画面表示を前提としたシナリオを執筆するためにも、事前にテキストボックスの雛形を作っておくことをオススメします。


・各種素材を前提としたシナリオの書き方

小説とシナリオの違いは、ズバリ「文字以外の情報の有無」です。小説が文字のみ(あったとしても挿絵程度)なのに対して、シナリオは文・絵・音・演出による総合芸術と呼べるでしょう。シナリオを執筆する際は、つねにCGやサウンドのことを意識する必要があります。

これはライターさんにもよりますが、ゲーム中で表示される文章(本文)を書くのと同時に、CGの表示タイミングの指示やBGM・効果音などの再生指示を挟んでいく人もいます。私の場合は、背景画像とイベントCG、効果音だけは本文と合わせて記述していました(立ち絵差分指定やBGMに関しては、スクリプト段階で入れていく方が性に合っていたというだけです)。私は立ち絵差分もBGMも効果音も全部自分で制作していたので、スクリプトも想定どおりに進められましたが、CGやサウンド、スクリプト担当がライターとは別人の場合、シナリオ段階で必要となる素材をリストアップしていかなければなりません。実装するのが自分かどうかは別として、スクリプトを見越した素材に関する指示文を記述するのが鉄則となります。各種素材のリストアップ時に欠かせない情報については、次の記事から順番に説明していく予定です。とりあえず今回は、シナリオ段階で気をつけるべきことのみ触れておきます。


例として、実際に私が書いた《Oscillatus 零》のプロローグの一部分を見てみましょう。



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~//闇(まぶた)

♪ポッ ポッ ポッ ポッ(心電計の音)


正弦(サイン)波の代弁するのは、この心臓が刻む脈動で。

赤と青の多重露光(ディゾルブ)が、視界を埋めて揺らぎ散る。


それは、まるで幻影に沈んでいくような錯覚。

――しかし、それを打ち消す刺激があった。


左手に沁(し)みる、誰かの温(ぬく)もり。

優しくて、それでいて力強い感触。


その実在を確かめるように、わたしは指を泳がせた。



??「――――っ!」


声無き声が、鼓膜を震わす。


その人は、わたしの手を強く握り返して。

互いの脈が刻む変拍子を、愛おしく反芻する。


??「……私の声が、聞こえますか!?」

??「お願い、目を開けて――――!

聞こえるのなら……お願い…………!」


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………2年以上前に書いたシーン、懐かしさに溢れていますが、一応説明を加えておきます。

まず、最初の『~//闇(まぶた)』と書かれた文。これはシーンの意味合いを表すと同時に、背景画像の指示にもなっています。目を閉じている時の暗闇が必要、ということが他の人に伝わればOKです。未来の自分が読み返した時に、首を傾げるようなことがないようにしましょう。ちなみに、本文中の ( ) 内の文字は、直前の熟語に対するルビとなっています。

そして、次の『♪ポッ ポッ ポッ ポッ(心電計の音)』、これは効果音の指示です。聴覚的にどういう音なのか、そしてそれが何の音なのか明記しておくのが大事です。これは効果音編で詳しく説明します。

私は♪を効果音、♫をBGMの指示として使っていました。これは本文中には使用しない記号なので、検索してリストにしたりスクリプトに一括変換したりする時に便利です。セリフに「♪」を使う人は、別の特殊記号を使うのが良いでしょう。立ち絵表示タイミングの記述なども同様に、何か特別な記号を頭に置いておきましょう。ただ、注意点が1つあります。それは、ここで使った特殊な記号が、使用予定のノベルゲーム開発環境(プログラミング言語やエディター)で関数として扱われていないか確認すると、いうことです。もし♪が関数として組み込まれていた場合、予期せぬ動作をしてしまうかもしれません。そんな事故を回避するためにも、ライターは使用予定のスクリプト環境を事前に調べておく必要があります。CGやサウンドに関する関数や指示定型文があれば、それに則ったシナリオを書いておけば安全です。私はlight.vnというエディターを使用していたので、画面に表示せず指示文にもならないメモを書く際に『~//』を頭につける癖がつきました。

また、スクリプト段階での一括変換を見越して、セリフ文の頭には話者名を表記するようにしていました。『??「――――っ!」』と書いておけば、話者名と「 」内のセリフが別の枠に表示できるよう変換するのも容易です。


そして、なんと言っても肝心なのが、改行です。私の書いたシナリオを見れば分かるように、一般的な改行とは別に、何も書いていない空行が挟まっているでしょう。私の場合は背景全体文字表示とテキストボックス内文字表示をシーンによって使い分けていたので、単純に空行として表示される箇所も勿論ありますが、テキストボックス内文字表示シーンにおいては、空行は改ページを意味します。改ページとは何か説明しておきますと、ノベルゲームはマウスクリックやENTERキーによって進行しますよね。「クリックをしたら次の文を表示する」という指示を「クリック待ち」と言いますが、この時にテキストボックス内の文字をいったんリセットして次の文を表示する指示のことを「改ページ」と呼ぶのです。クリック待ちは「。」「!」「?」やカギ括弧の終わりと合わせて置換することで、スクリプトにすることが可能ですが、この時に改ページも行いたい場合、空行を入れておくと処理がしやすくなります。会話文は「 」ごとに話者名指示によって改ページされるので、とくに地の文については空行を意識する必要があります。


これらは私が個人的に落ち着いたシナリオの体裁ですが、みなさんは自分のやりやすいやり方でシナリオのルールを決めていってください。大切なのは、スクリプト作業を楽にするために、シナリオ段階で整えておくということ、これに尽きます。


ではその結果、文体にどういった影響が出るのかも説明しておきましょう。


まず、表情の描写が削減できます。例えば、『と言って、彼女は微笑んだ』という表現は、表示する立ち絵の表情差分演出に任せることが可能です。表情・ポーズ差分で伝えられることは、わざわざ文で書かなくてもよくなります。それでも、あえて強調するために描写するのは勿論アリです。聞こえてくる音や、目に見える景色についても同様に、効果音や背景によって代用が可能となります。


各種素材による演出を効果的に使用していくと、ゲーム中に表示される本文は会話文の比率が多くなる傾向にあります。説明的な地の文は程々にしつつ、短くテンポの良い会話で物語を進行させていくのが一般的です。どうやったらプレイヤーの感情を揺さぶることができるのか、つねに念頭に置きつつ自分なりのシナリオ文体を確立させていきましょう。




さて、①から④まで解説してきましたが、最後に「その他」的な大切なことをお伝えします。

シナリオを書く順番についての話です。

プロットが完成していれば、その内のどのシーンからシナリオを書くかは自由です。並行して複数シーン書いても構いません。ただ、布石や伏線を活かしたい場合は、ある程度物語に沿った順番で書いていくことをオススメします。プロットは終わりから、シナリオは始めから。これが基本です。

主な理由としては、思わぬ要素が布石として活用できる可能性があるからです。物語のクライマックスで言わせたいセリフを口癖に設定したり、伏線を破綻なく張っていったりと、あらかじめ考えておくべきことが大半ですが、シナリオを書いていて突発的に「この要素、あとで使えるのでは?」とひらめくことがあります。その時に、後のシナリオに活かすことができれば美味しいですよね。そういうアイディアの後付けを狙いたい人は、前から順番に書いていくのが良いでしょう。

ただ例外もありまして、先に後のシナリオを書かなければいけないパターンもあります。シナリオの時系列がややこしかったり、後のセリフの一部をプロローグからリフレインさせたりなど、プロット段階で一工夫している箇所は先に該当シーンを書いてしまった方が良いと思います。揺るぎないシーンから書き始め、曖昧なシーンは後から前後のバランスを見て埋める、というのも手です。注意すべきは、書きたいシーンだけ先に全部書いてしまって、モチベが尽きるというパターン。自分的に書きたいシーンは、バランスよくスケジュールに分散させて執筆していくことで、最後までハラハラドキドキしながら書けるのではないでしょうか。


シナリオは、ノベルゲームの「中身」です。これがしっかりしていないと、いくら絵や曲が良くても駄作と位置づけられかねません。長編シナリオを書き上げるには、はてしない時間と根気が必要です。自らのモチベ管理をしながら、物語の設計図を組み立てていきましょう。


シナリオ編、いかがだったでしょうか? 想像の2倍以上のボリュームになってしまい、私自身、驚いています。最後まで読んでくれたあなたに感謝……!

ゲームシナリオを書いたことのある方には「ですよね~」といった常識的なお話だったかもしれませんが、これからゲームシナリオを書いてみようという方にとっては、「使える記事」であることを祈っております。


次回は立ち絵編と称して、ノベルゲームの立ち絵を描く際の注意点などを紹介していこうと思います。スクリプトを前提としたCGのレイヤー管理など、私が試行錯誤しながら気付いた効率的な技の数々、お楽しみに!


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それでは、またいつかネットの海でお会いする日まで、お元気で。