初めまして。ながまきと申します。

使いやすくて読みやすいデジタルフォントがあふれる電子の世界で、手書き文字の暖かさや自由なスタイル、そこから来る不安定さに心惹かれて、セコセコと文字を書く活動を2年ほどしています。よろしくお願いいたします。


はじめに

手書き文字についてアレコレ書いたりしてある程度の年数が経ち、おかげさまで少しずつではありますが反応をいただいたり、定期的にご覧いただく機会が増えている感じがします。本当にありがとうございます。

そういった中で、ご自身の書く文字の上達を望む方や、(ネガティブな意味での)癖字からの脱却を目論む方からテクニックや参考となる本などを質問されることが増えてきました。近年は美文字と呼ばれる、楷書と行書の間っこみたいな字がクローズアップされ、本屋さんでも美文字トレーニングができるらしい参考書がたくさん並んでいます。

正直な話、ぼく自身そういった参考書の類を一度も手にしたことがなく、どのような本がオススメで、どのように書けば美文字になるかのアドバイスをちゃんとできないのが現状です。ですがそれでハイ終わりとなると塩対応な感じになってしまい今後の活動に影響が出かねないため、この記事では「読んで楽しい&真似してたぶん楽しい、参考書じゃないけどたくさん文字が載っていてぼくがたいへん影響を受けた本」を3冊紹介したいと思います。タイトルが長すぎますね。



1.くせ字だって綺麗なのよ

井原奈津子(2017)『美しい日本のくせ字』パイ・インターナショナル

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いきなりくせ字脱却の方の期待を裏切るチョイスになりました。だけどこれがとても良くてですね。

「癖」と聞くとマイナスなイメージが先行しがちですが、それを書く人の性格やペンの持ち方、ルーツまで場合によっては見えてしまう、そんな素敵な個性をひとつひとつ丁寧に眺めて、愛でて、真似して…という感じでまとめられた本です。時たまテレビで取り上げられる稲川淳二さんの恐ろしいほど整った文字も載っており、あーこれこれ!となること間違いなしです。


2.デザインなんだけど、うまく見せるコツはギッチリ詰まってる

雪朱里(2017)『描き文字のデザイン』大貫伸樹監修、グラフィック社

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「広告デザインじゃん、こんなの普段書きには使えないよ!」とはならないよね、というのが持論です。いかに人の目を引き付けるか、パッと見でメッセージを伝えることができるか、そういった目的を達成するために描き出された文字って最高に読みやすい字だとは思いませんか。

昭和のものをメインとして、比較的カリグラフィ寄り(な気がします)でどこか懐かしい、そんな文字がたくさん収録されています。こんなの書けたら本当にかっこいいよなと、本を開くたびに思います。


3.同じ文字でもあなたが好きなのはどーれだ?

松村大輔(2018)『まちの文字図鑑 ヨキカナカタカナ』大福書林

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街の風景に溶け込む看板やネオンサインなど、文字フォントが流通する以前にはそこでしか見ることのできない素敵な文字がたくさん存在していました。現在も残っているそれらを撮りため、五十音ごとにまとめた写真集です。

真似するとなると完全に作字やタイポグラフィになるのかなとは思いますが、「こんな書き方もあるのか」だったり「これでも読めるんだ!」みたいなスタイルを見つけると普段書きでも応用したくなります。著者さんのトークイベントに一度伺ったことがありますが案の定変態で最高でした。


おわりに

いかがでしょうか。参考書ではなく完全に趣味の世界なうえ、練習できるかと問われるとだいぶ難しいと思います。ですが、たくさんのスタイルを見ておくことで引き出しは増えますし、なにより読んでいて楽しい本なので「ちょっと文字に片足突っ込んでもいいかな」と思ったらどれか持っておくのもいいかもしれません。

フォントを作ってみたいとか作字をしてみたい方なんかにはマジおすすめだから!!!みたいな感じで詰め寄るぐらいの本です。


いい文字を書きたい方になにか響きますように。